- 住宅購入
住宅購入で親からの支援を受けるときの注意点について解説
2024年03月25日(月)
住宅購入は人生の中でも大きな買い物のひとつであり、親などから資金援助を受けられるのであれば、住宅ローンなどの資金計画を立てやすくなります。
しかし、手続きや税金などいろいろとわからないことだらけで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。間違った贈与が行われた場合、税負担が重くなることもあるので注意しましょう。
今回は、住宅購入時に親からの支援を受ける際に知っておくべき注意点を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでご参考になさってください。
知識を身につけることで、住宅購入をスムーズに進めることができるでしょう。
※2024年3月25日現在の法令等に基づいて記載しています。
目次
贈与税に注意
住宅購入のために親からまとまったお金を受け取る場合、原則として「贈与税」の対象となります。贈与税は受贈者側が負担する税金であり、受け取った金額により税率が変動します。
贈与税とは
あらためて、贈与税という制度についておさらいしておきましょう。
贈与税は、個人から財産を無償でもらった人が納める義務がある税金です。贈与税は1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から110万円を差し引いた残額に税率をかけて算出します。
住宅取得等資金贈与の特例
住宅購入の際に適用できる特例として「住宅取得等資金贈与の特例」があります。
正式には「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」といい、親や祖父母といった直系尊属から住宅の購入などで支援を受けたとしても、省エネ・耐震性・バリアフリー住宅の場合は1000万円まで贈与税がかからないという制度です。
対象は、贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上の受贈者です。
贈与契約書の作成でトラブルを予防することがおすすめ
「住宅取得等資金贈与の特例」は、贈与税を一定の金額まで支払う必要がなくなる制度で、いくつかの条件をそろえないと利用することができません。その判断は最終的には「税務署」がすることになります。
ただお金をもらっただけでも贈与自体は成立しますが、税務署に認められなければ、多額の贈与税を支払うことになります。
トラブル回避のために、住宅取得資金の贈与であることの証明として「贈与者」「受贈者」「金額や日にち」などを記載した「贈与契約書」を作成しておきましょう。
親からの住宅購入支援を受ける際の主なメリット
- 頭金の準備がしやすくなる
- 低金利でのローンが組みやすくなることもある
- より高額な物件の検討が可能になる
親から住宅購入の支援をしてもらうことによって、借入金額を減らしたり、探す物件の許容価格を引き上げたりすることができます。
支援を受けた分だけ借入金額を少なくでき、結果的に返済額を少なくできるという意味でも、とてもメリットが大きいです。
親からの住宅購入支援を受ける際の主な注意点
贈与税が発生する場合がある
「住宅取得等資金贈与の特例」の要件(条件)のひとつに、“贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅を新築や取得していること”というものがあります。
贈与のタイミングを誤ってしまうと、高額な贈与税が課されてしまう可能性もありますので、注意してください。
贈与税がかからない範囲内の「特例」制度
「相続時精算課税制度」は生前贈与するときは2,500万円(特別控除)まで非課税の一方で、贈与した人が亡くなったときに、その贈与した財産を相続財産に足し戻して相続税を計算し、まとめて相続税として納める制度でした。
2024年1月から特別控除の2,500万円とは別に、年110万円までの基礎控除が認められ、年110万円までの贈与なら贈与税がかからず、相続税への足し戻しも不要になります。
相続の問題が生じる可能性がある
「住宅取得等資金贈与の特例」を使えば贈与税は非課税になりますが、自分以外にきょうだいやいとこがいる場合、両親や祖父母から大金を贈与してもらうと、相続トラブルになりやすいです。
親族間で公平な贈与や相続ができるように財産の分け方を話し合ったり、いつ・どういった贈与を受けたのか記録を取ったりして、もめるリスクを減らしましょう。
「贈与」か「借入」か「共有」かを明確にする
住宅を購入する際の親からの支援として3つの方法があります。
親からもらったお金を頭金の足しにして借入金額を少なくしたり、購入可能な物件価格を引き上げたりすることができる「贈与」。
土地や建物を担保として提供する必要がない点と、借り入れの条件を比較的自由に決められる点が魅力の親からの「借入」。
親が支払った金額に応じた土地や建物の持分割合をきちんと登記して、住宅を親子で「共有」する。
それぞれのポイントをしっかりと理解して、どの方法を選択するかを検討することが大切です。
余裕を持った資金計画を
親からの支援があるからといって、住宅の購入金額を大幅に上げないようにしましょう。
住宅ローンを契約する際は、無理のない返済計画を立てましょう。
返済が滞ってしまうと、購入した住宅を手放さなくてはならない可能性もあるため注意が必要です。
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