- 建売住宅
建売住宅に地鎮祭は必要?代わりになるお祓いのやり方はある?
2024年02月02日(金)
地鎮祭(じちんさい)とは、建物を建てる際に工事の安全と無事完成をお祈りする儀式のことです。
建売住宅の購入を検討している場合、工事は完了して建物自体がすでに建っているので、地鎮祭をどのように行うのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
今回は建売住宅をご検討中の方に向けて、地鎮祭とは何なのか、また住宅の建築における地鎮祭の必要性と代わりになる儀式はあるのか、についてご紹介します。
目次
地鎮祭とは
地鎮祭(じちんさい)とは、建築工事や土木工事を始める前に行う、その土地の守護神を祀り土地を利用させてもらうことの許しを得る儀式です。
一般的に、神様に対して工事の安全を祈願するとともに、そこで安全・安心に暮らしていけるよう願う儀式です。
地鎮祭は義務ではありません。時代の流れで、最近は地鎮祭を執り行わない方も増えています。
地鎮祭の歴史
地鎮祭の歴史は古く、日本最古の歴史書である「日本書紀」にも、持統天皇5年(691年)に藤原京の建設のために地鎮祭が行われたことが記されています。
また、奈良県の東大寺金堂や興福寺中金堂などの敷地からは、地鎮祭の際に土地の神様に捧げて埋める「鎮物」(しずめもの)」が出土していることから、神事だけでなく仏教でもそれに該当する儀式が行われていたと考えられています。
地鎮祭が現在のように建築儀礼として広く普及していったのは、江戸時代後半のことと言われています。
江戸時代は、城郭や寺社仏閣の建設が盛んになり、その際には必ず地鎮祭が行われるようになりました。そして、民家を建てる際にも地鎮祭が行われるようになり、一般にも広く普及していきました。
地鎮祭の流れ
- 開会の儀
- お祓い
- 祭壇に神饌(しんせん)を供える
- 祝詞(のりと)をあげる
- 現場を祓い清める
- 地鎮の儀
- 玉串を祭壇に捧げる
- 神饌を下げ、神様にお帰りいただく
- 閉式の辞
- 直会(なおらい)の儀
- 神饌品のおさがりをいただく
地鎮祭の服装
地鎮祭の服装は、スーツやジャケットを着て、ネクタイを締めた格好などが定番のようです。
施主は、神主に玉串を渡すため、両手を空けるようにしておきましょう。
地鎮祭の費用
地鎮祭の費用は、神主の謝礼、祭壇の設置、供物の準備などによって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が相場とされています。
費用は土地の規模や地域によっても変わるため、具体的な見積もりは神社やハウスメーカーに相談しておいた方が良いでしょう。
建売住宅ではあまりやらない
このような地鎮祭ですが、建売住宅では必ずしも行わなければならない儀式ではありません。
理由としては以下のようなものがあります。
- 工事が終わっているから
- 安全性の向上・コスト削減・工事期間の短縮
工事が終わっているから
地鎮祭は上述のように工事の安全を祈るものです。
何事もなく工事が終わり、すでに建築されている建売住宅ならば、地鎮祭をしていないことを心配する必要はないのかもしれません。
安全性の向上・コスト削減・工事期間の短縮
そもそも工事の安全性が昔よりも上がっており、地鎮祭をしなくても安全に工事が遂行される可能性が高く、実施する人も減少しつつあります。
また地鎮祭には数十万円の費用がかかりますしスケジュール調整が必要なため、日程の調整にも大幅に時間がかかってしまいます。
地鎮祭の代わりになるもの
しかし、地鎮祭を全く行わないのも不安という方もいらっしゃるでしょう。
ここでは地鎮祭の代わりになるものをご紹介します。
祈祷しに行く
神社に直接足を運んでお祓いや祈祷をする方法もあります。建築場所などを神前で伝え、工事の安全と家族繁栄を祈祷してもらえます。
ご自身で地鎮祭を執り行う
自分で行う簡易的な地鎮祭は、セルフなので決まりはありません。一般的には、洗米と清酒、粗塩などを土地の角地4カ所と土地の中心の全部で5カ所に撒くのが多いようです。参加者は家族だけなので、実施日の予定を立てやすいのが魅力です。
竣工祭を執り行う
竣工祭とは、工事が無事に完了したことに対して感謝の気持ちを神様にお伝えする儀式です。地域によっても呼び方が異なるようです。
まとめ
今回は、地鎮祭について解説しました。
建売住宅では基本的に地鎮祭を行うことはありませんが、上記の説明を読んでいただ頂きご不安になられたら、簡易的にでも行ってみてはいかがでしょうか。